大相撲九州場所で大関・霧島(27)が、千秋楽結びの一番で大関・貴景勝を突き落としで破り、13勝2敗で2度目の優勝を果たした。同時に初の年間最多勝も決定した。今場所の霧島の優勝は、昨日の14日目熱海富士(21)との2敗同士の対決⬆が事実上の優勝決定戦だったと言えるだろう。勝てば優勝が近づく2敗同士での直接対決。霧島は仕切り線で見合った時から優位に立っていた。「相手(熱海富士)が目を合わせようとしてこなかった。緊張しているな、と。(自分は)自分の相撲を取っていこうと思った」霧島。2度目の立ち合いで厳しく踏み込むと、右を肩まで差し込んで左の脇を締めて強烈におっつける。その左腕を素早く巻き替え、もろ差しを果たすともろ差しのまま攻勢をかけ、腰を落としたままでの万全の寄り切りで12勝目を挙げ14日目で単独トップに立ち、今年春場所に続く2度目の優勝を大きく手繰り寄せたのだ。一方の敗れた熱海富士は「緊張したのかな…、緊張するなんてまだまだだな。明日頑張ろう」と仕度部屋でつぶやいたという。初めての頂上決戦に緊張したという21歳の熱海富士、目をあわせようとしない素振りからその事を見抜いた27歳の霧島、勝負ははじめから付いていたと言えるだろう。