安倍晋三前首相の強い指導力で実現した台湾への英アストラゼネカ製のコロナワクチン124万回分の寄贈が現地で批判の的になっているのをご存知だろうか。台湾の中立系新聞元社長は「日本はアストラゼネカ製ワクチン接種をしていないのでしょう? 血栓などの副反応を恐れて。それを台湾に無償供与するのはどうしてなのですか?自らがその危険性からまだ使っていないワクチンを台湾人に使わせるのですか?」と憤っている。日本政府が現在確保しているワクチンはファイザー製、モデルナ製、アストラゼネカ製の3つ。この中で、アストラゼネカ製ワクチンは海外で接種後に、稀にだが血栓を発症したケースが報告されており、日本政府は公的接種には、アストラゼネカ製ワクチンは当面使用しないと決めている。そんな中での台湾へのアストラゼネカ製ワクチンの大量寄贈は、粗悪ワクチンを海外(台湾)で処分したと取られても仕方がないだろう。事実、台湾で6月15日から高齢者を中心に日本から寄贈されたアストラゼネカ製のワクチンによる接種が始まったが、18日までのわずか4日間で優先接種を受けた高齢者42人が死亡。このうち36人はアストラゼネカ社製を接種した直後に死亡している。このワクチンで死亡した36人は司法解剖の段階で、因果関係については解明されていないが、アストラゼネカ製ワクチンへの台湾国民からの信頼性は著しく低下した。かつて「東日本大震災」の際に日本に200億円以上の義援金を贈ってくれた台湾の国民に対して、「粗悪ワクチン」を贈った安倍元首相と日本政府の態度は、あまりにも誠意がなさ過ぎると言えないだろうか。