エンゼルスの大谷翔平が、31号ソロ本塁打を放ち、松井秀喜(ヤンキース)が記録した日本人のメジャー最多本塁打に並んだ。驚くべきはそのスピードで、松井の31号は出場159試合、674打席目に記録されたのに対し、大谷のそれは出場78試合315打席目。半分以下の打席数で到達したことだ。大谷翔平は、なぜこれほどのスピードでホームランを量産できるようになったのか。プロ野球で強打者育成に尽力した名伯楽・内田順三氏がその理由を解説した。「(大谷の)本塁打量産の要因は、自分のなかでいい感覚やタイミングを覚えてきたのではないか。日本では「イチ、ニーノ、サン」で振るが、速球派の多いメジャーでは1を省いて「ニ、サン」のタイミングで振る。これは松井秀喜も言っていたことだ」と語り、大谷選手が「ニ、サン」のタイミングで振るスイングこそがホームラン量産の秘訣だと語った。確かに、映像で見るとボールを捉える瞬間の大谷選手のスイングスピードは他の打者より鋭いのがよく分かる。さらに「日本人は足を上げたり、引いたりして反動をつけて打つのが一般的。大谷がノーステップで打てるのは外国人に負けないパワーを備えているからと言える。下半身を我慢して我慢して、壁を作りながらカウンター気味にボールにパワーをぶつけている。大谷も日本にいる時より見た目がふた回り体が大きくなり、技術とともに体力や筋力が外国人に負けていないことが分かる。それでいて、大谷の良さである胸回りの柔らかさは失っていない。打った後に背中までバットを振り切れる柔軟性は、ホームランバッターに共通するものだ」と解説した。