
今から20年前の2005年12月5日、12年ぶりに来日した米国ポップス界の女王マドンナが、記者会見で「日本に来たと実感した瞬間は?」と質問されると、「ウオッシュレットが恋しかったわ」と答えて会場が笑いに包まれウィットに富んだこのマドンナのコメントは世界中を駆け巡った。ウオッシュレットは、1989年に米国市場に参入した商品だが、20年前はアメリカ国内ではまったく売れておらず、マドンナは日本で初めて「温かい便座」に出会って感動したというわけだ。それから20年、コロナ禍で、トイレットペーパーなしでおしりを洗えるウォシュレットが米国で注目されて急に人気が高まり、2025年までにウオッシュレットは、全米で累計で875万台も普及した。マドンナが、「温かい便座」にいちはやく魅力を感じたように、ウォシュレットは“トイレ文化を進化させるセンス”を持った商品と言えるだろう。これほど魅力的なウオッシュレットが米国で普及するのに時間がかかったのは、日本人と欧米人とでは“便の性質”が異なるからだという。日本人は米や野菜を中心に食物繊維を多く摂るため、便がやわらかく粘り気がある。一方、肉食中心の欧米人の便は固くコロコロしている。だから、紙で拭くだけで済んでしまい、「水で洗う」必要性を感じにくいからだろうと言われている。