昨年、コロナ禍の初期に行われた大阪大学の三浦麻子教授らの調査により、日本では他の国よりも「新型コロナウイルスに感染するのは自己責任」と考える人が多いことが分かった。教授らが400~500人に「感染する人は自業自得だと思うか」と質問をしたところ、「どちらかといえばそう思う」「ややそう思う」「非常にそう思う」のうちのいずれかを選んだのは、アメリカで1%、イギリスで1.49%、イタリアで2.51%、中国で4.83%だったのに対して、日本はアメリカの11倍の11.5%の人が「自業自得」と答えている(⬆上図参照)。未知のウィルスの感染者を「自己責任」と切って捨てる思想はどこから来たのだろうか。敗戦後の日本社会は、欧米に倣って自由主義の思想が広がり、自由に何をしてもよいし、何をいっても許されるが、その行為の結果は「自己責任」、という西洋風の合理的な考えが広まり、仏教用語の「自業自得」という言葉が本来の意味とは違った使われ方をしてきた。その結果、世界で最も他人に冷たい日本人の異様さが浮き彫りになったというわけだ。欧米をマネた中途半端な「自己責任」論を振りかざす11%の日本人に欧米に伝わる自己責任の本当の意味がわかる「ことわざ」を教えてあげたい。Harm set, harm get.《災いを仕掛けるものは災いに遭う》。 He that hurts another hurts himself.《他人を傷つけるものは己を傷つけることになる》。 Curses return upon the heads of those that curse.《呪いは呪うものの頭上にもどってくる》。コロナ感染は「自業自得」と考えてる人がもしコロナに感染したら、どんな言い訳するのだろうか(笑)