先日、IT大手の富士通がスマホ市場から撤退するというニュースがあった。すでに日本のメーカーでは東芝、NEC、パナソニック、カシオなどがスマホ市場から撤退し残るのはソニー、シャープ、京セラの3社のみだ。つい10年前までは世界中を席巻していた日本の端末メーカーの栄華は今や昔の物語となり、スマホ市場で日本メーカーはいまや絶滅危惧種の状態に瀕している。なぜこうなったのか?10年前のアップル社のiphone登場から日本メーカーの悲劇が始まった。iphoneの持つあたらしい発想や革新性についてゆけず、サムスンや中国メーカーのように安い価格で販売することもせず、この2重のハンデキャップが日本メーカーの凋落の原因とされている。10年前、東芝の技術者が新発売されたiphoneを分解してみて「何だこれならウチでは幾らでもつくれる」と発言し、それを聞いた上司が「だったらなぜiphoneより先に作らなかったんだ」と激怒したというエピソードに象徴されるように、すでに日本メーカーのスマホへの開発姿勢はアップル社から遥かに遅れを取っている。さらにはサムスンや中国メーカーのように消費者ニーズに合わせた安い価格での販売を相も変わら無視し続けている日本メーカーの姿勢も問題だろう。日本のスマホメーカーが味わっている現在の悲劇はこの10年間の間の出来事だ。向う10年間でかつての栄光は果たして取り戻せるだろうか。それには、日本のIT企業にスマホ市場の空気が読めるスティーブ・ジョブスのような人物が現れて来ない限り無理な話なのかもしれない。