ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

映画オッペンハイマーの便乗商法、広島原爆で溶けた時計375万円。

原爆の生みの親である物理学者オッペン・ハイマーの生涯を描いた映画「オッペンハイマー」。原爆落下時の様子や原爆投下によって苦しむ日本人は一切描かれず、物理学者として時代の波に翻弄され、自問自答を続けたオッペンハイマーの苦悩ぶりを伝えるというアメリカ人の視点で描かれた映画だ。この映画が今年の第96回アカデミー賞の13部門でノミネートされたことは、被爆国の日本人としては何とも複雑な気持ちにさせられる。そんな中、この映画「オッペンハイマー」のブームに便乗したかのように、アメリカのインターネットオークションに広島に原爆が投下された時刻の8時15分を指したまま止まっている錆びた腕時計⬆が出品された。この腕時計は広島への原爆投下後、復興に関する調査で広島を訪れたイギリス兵が被爆地で見つけ持ち帰ったものだという。被爆した時計の落札金額は日本円でおよそ300万円と予想されていたが、入札競争がデッドヒートした結果375万円という高額で落札されたというニュースが報じられた。米民間調査団体のピュー・リサーチ・センターが8年前にアメリカ国内で行った世論調査で、広島と長崎への原爆投下について米国人の56%が「正当だった」と考えていることからも、映画「オッペンハイマー」で原爆を投下された日本人側の苦しみを描かなかったり、便乗商法で被爆時計が競売されたりしても、多くのアメリカ人は、被爆国日本に対しての「罪悪感」をまるっきり持ち合わせていないように思われる。