ブリスベン国際2017の決勝で錦織圭は、これまで負けたことのない格下のディミトロフに敗れまたまた準優勝に終わった。その直後に行われた錦織圭と松岡修造の対談が報道ステーションで放送された。この中で錦織はグランドスラムを獲るために「爆発力が欲しい」と言った。そう言えば昨年3月のデビスカップでマレーに敗れた際にも「まだ爆発力が足りない」と自らを評している。錦織がしきりに口にするこの「爆発力」とは一体何なのか。テニスの業界用語で「最大限に自己のポテンシャルと身体能力を引き出してプレイし続けるパワー」を指して「爆発力」と言うらしい。今回の準決勝バブリンカ戦では錦織の「爆発力」によってストレート勝ちしたように、彼には「爆発力」はあるのだがそれが長続きしない事でグランドスラムを逃し続けている。先輩プレーヤーの杉山愛は「圭のテニスは爆発力がある。でもその代償で体を痛め故障する」と評した。錦織も自分の「爆発力」について「高い集中力を持続させるのは難しく体への負荷も大きい、1試合が限度だ」と過去に語っている。しかし、日本の錦織ファンは目の前まで来ているグランドスラム制覇を今や遅しと待ち望んでいるのだ。錦織自身も欲しいという「爆発力」を決勝にまで持続できるように、彼を支える専門スタッフはスタミナを保てる食事の取り方や疲労が蓄積しない体の動かし方について科学的なサポートをすべきだろう。いよいよ開幕する全豪オープン、錦織圭の「爆発力」が決勝の舞台まで何とか持ち応えて日本のファンが「また駄目か」と失望し続けてきた「オオカミ少年」を卒業できるように祈ろうではないか。