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平成31年元旦から新天皇が即位し年号も平成から新元号に変わるというニュースを1月10日付の朝刊で産経新聞がスクープ報道した。この報道を見て出し抜かれたと気付いた毎日・朝日・読売の3大新聞は、あわてて同じ内容のニュースをトップ記事にした。政府の反応はといえば10日の菅官房長官の記者会見の席で「そうした事実はまったく承知してない、有識者会議で議論してもらってはいるが方向性も示されてない段階だ」と大手の新聞社が一斉に報道した内容を一蹴したのである。あきれたとしか言いようのない新聞全社のニセ報道、これだけの大きなニュース記事について事前のチェック体制はどうなっているのだろうか。これでは「オオカミが来たぞ」の少年と一緒ではないか。新聞は真実のみを報道するものだ、と信じてお金を払っている読者はすっかり騙された。戦時中の軍部の検閲による戦争報道に等しいこのデタラメ振りは、真面目な新聞購読者を脇に置いて、スクープ合戦を展開した挙句にお粗末なガセネタ報道の結果を生んだというわけだ。テレビメディアは、この新聞社同士の醜い争いを揶揄するごとく紹介していたが、真実ではないニュースを堂々と流す新聞社を同じマスコミ同業者として強くは非難していない。しかし、新聞の報道がウソをついた、という事実は我々読者にとっては看過できないことである。「あいまいな事柄をさも決まったかのように読者を欺き平気でいる新聞は今後信じないことにしよう」今回のデタラメな報道合戦をみてネットに主役の座を奪われた新聞社の哀れな末路が垣間見えた気がしてならない。