ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

名曲チゴイネルワイゼン、レコード原盤に作曲者の小声が。

バラエティ番組やCMでしばしば効果音として使われ耳馴染みな人も多いクラシックの名曲「チゴイネルワイゼン」。高音のきらびやかで華やかな旋律とどこか哀感に満ちたヴァイオリンが奏でるこの曲は、スペイン生まれのヴァイオリニストであるサラサーテが作曲したヴァイオリン独奏曲であるが、1904年にサラサーテ本人の演奏によって最初のレコードが録音されている。この「チゴイネルワイゼン」の原盤録音には、100年以上前の時代の録音であり、レコード吹込み時間は極端に短く、また録音原盤自体が修正録音のできない一発録りのディスク媒体であったため、演奏の途中でサラサーテの声と言われる謎の呟き声が入ってしまっていることで有名だ。一説によれば、サラサーテ本人がレコードの録音時間をオーバーしそうなことに気付き、伴奏者に途中を端折って演奏するよう指示した声だとされている。後年なら雑音としてカットされるような小声だが、1904年当時ではカットできないままレコード販売に至ってしまったというわけだ。1947年に小説家の内田百閒は、このレコードのサラサーテの「呟き」のエピソードをモチーフにして短編小説「サラサーテの盤」を書いている。YouTubeでサラサーテの「チゴイネルワイゼン」の最初の録音盤を聞いてみると、演奏開始から3分49秒に確かにサラサーテの声が入っているのがわかる。興味のある方は、ぜひYouTubeでご視聴あれ(笑)