ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

黒人解放指導者マルコムXの名前は、なぜXなのか。

「白人にいつも「イエス」と言うのをやめ、自分自身への嫌悪を振り切った時、我々は自由への道を歩き始める」白人による黒人に対する暴力には暴力をもって戦え、と説き、黒人至上主義を掲げた過激な解放指導者マルコムX⬆。彼の姓になぜXの文字が使われていたのか。彼が父から受け継いだ姓は、その昔、白人からつけられた“little”だった。マルコム・リトルは、黒人解放運動に身を投じていくなかで、この屈辱的な“little”という姓を捨て、代わりに“X”と名乗ったのだ。「X」は自分の姓が一生分からないということを指し、アフリカにいた祖先が本来持っていた姓は、祖先たちがアメリカに奴隷として連れて来られた時に「リトル」という名に変えられ永遠に忘れ去られてしまった。「リトル」には白人の「からかい」や「蔑み」の意味が含まれ、奴隷としての識別のしやすさもあったに違いない。そのような「リトル」という名前は、本来の自分の姓ではない。自分の姓は永久に分からない「X」である。未知としての“X”という姓を、これからは黒人たちの自由を象徴する名前として、全米に知らしめたいという想いからマルコムXは、名前を変更したのだ。このマルコムXの思想に賛同し友人でもあった世界ヘビー級チャンピオンのボクサーカシアス・クレイが、やはり奴隷の名クレイ(粘土)という姓を捨ててモハメド・アリに名前を変えたエピソードを、ご存知の方は多いはずだ。