ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

前沢友作氏が123億円で買ったバスキアの絵、何がスゴイのか。

通販会社ZOZOTOWN創業者で億万長者として知られる前澤友作氏が、5年前、NYサザビーズ・オークションでジャン=ミッシェル・バスキアの絵画⬆を約123億円で落札し 大きな話題となった。この落札金額は、バスキア絵画のオークションレコードであり、またアメリカ人アーティストによる美術作品としてもオークションレコードとなった。これほど高価な金額で取引される絵を描いたバスキア(⬆上写真右)とは一体何者なのか。マイノリティ(非白人)のバスキアは、17歳の頃から地下鉄やスラム街地区の壁などにスプレーペインティングを始める。高校を中退したバスキアは、Tシャツやポストカードを売りながら生計を立て、やがて彼の描くスプレーペインティングが徐々に評価されはじめ、23歳(1983年)の時にPOPアートの鬼才アンディ・ウォーホルと知り合い、作品を共同制作するようになる。1987年のウォーホルの死まで2人は互いに刺激しあう関係は続いたが、ウォーホルの死により孤独を深めたバスキアは、徐々にヘロインなどの薬物依存症に陥り、妄想癖が見られるようになり、1988年27歳の若さで、ヘロインのオーバードース(過剰摂取)により夭折した。彼の死後もその生涯と作品は注目を浴び、映画『バスキア』として1996年にアメリカで公開され大きな話題となった。地下鉄やスラム街の壁などへのスプレーペインティングから出発したバスキアの芸術活動は、現代美術の世界でまだ評価が定まっていないが、彼の芸術性をいち早く評価して123億円を投じた前澤友作氏の「審美眼」をリスペクトしたい。