アクションゲーム『アサシン クリード』シリーズの最新作に登場する黒人サムライYASUKEが、史実で「侍であったかどうか」といった点を巡ってユーザーが疑義を呈したことでSNS上で批判の声が渦巻き、国内X(旧ツィツター)上では「弥助問題」といったワードがトレンド入りした。しかし、黒人サムライYASUKEがゲームに登場するのは今回で5作品目だ。さらにアニメや時代劇ドラマなどひんぱんに登場する黒人サムライ「彌助」はすでにポピュラー過ぎるヒーローだ。史実に基づくと、黒人侍「彌助」は、戦国時代に織田信長に宣教師の従者として謁見した際に、信長に気に入られ宣教師から信長に進呈されたアフリカ・モザンビーク出身の黒人奴隷だ。そして信長に家臣として召し抱えられ本能寺で信長が自刃するまでの15か月間、信長に仕えた侍の身分を初めて持った黒人だった。信長の自害後、息子のの織田信忠と共に明智軍と最後まで戦った末に投降して捕縛された。(1611年信長公記より)。奴隷の身分だった黒人がいきなり侍に出世したドラマチックさを現代人はヒーロー視しているが、それを実現したのは信長の慧眼があったからだ。皮膚が黒いことで差別するのではなく、自分の戦闘員として召し抱えた信長の「人種平等」という見識、黒人侍「彌助」の存在そのものを世間はヒーロー視しているが、433年前に黒人に侍の位を与えた織田信長の「人種平等主義」という「眼力」にこそ目を向けるべきだろう。