ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

プーチンは、ウクライナの何を怖がってるのか。

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3月5日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの侵攻について「核兵器の取得まで口にし始めた」からだと語った⬆。ロシアがウクライナへの侵攻を開始したのは、2月24日、その2日前の22日のFoxニュースでのインタビューでウクライナのクレバ外相が、「ウクライナが、ブダペスト覚書によって世界第3位の核戦力を放棄したのは間違いだった」と述べたことが、プーチン大統領がウクライナ侵攻を決断する引き金になったのだ。1991年ソビエト連邦が崩壊し、ウクライナは米国・ロシアに次ぐ3番目の核兵器保有大国となった。当時ウクライナにあった旧ソ連製のICBMの射程は1万kmであり、2000kmほどしか離れていないモスクワを狙うには十分だった。しかし、技術的にも組織的にも独自で核を管理する能力を持たないウクライナは、止む無く1994年に「ブダペスト覚書」(ウクライナの非核化と引き換えに同国の独立や領土の保全、安全の保証を約したロシア・米国との覚書)に調印し核兵器を放棄せざるを得なかった。その後、ウクライナが親ロシアから離れ、西側のEU加盟やNATOへの参加へと傾斜しながら、「核兵器保有」を口にしたことで、プーチン大統領が一番に恐れていた「ウクライナの核兵器保有」への恐怖を煽ってしまったというわけだ。今回の侵攻でも、先ずチェルノブィリ原発を制圧し、続いて欧州最大級のザポロジエ原発も制圧、さらにハリコフの核開発研究施設を攻撃するなど、ウクライナの核兵器開発を徹底的に潰そうとしたプーチンの核兵器保有への恐怖が、今回の侵攻のシナリオからハッキリと読み取れる。現在、先行きが見えないロシアとウクライナの停戦交渉、あらためてウクライナの核兵器保有の永久放棄をアメリカを始めとする西側諸国がウクライナに約束させない限り、プーチンはウクライナからの撤退はしないだろう。⬅こういうプーチンの心の内を読み取れないでいる各国首脳の無能さには呆れ返るばかりである。