ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

日本人顔負けの「相撲オタク」、シラク元仏大統領が死去。

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フランス元大統領のジャック・シラク氏が86歳で死去した。彼は大相撲など日本の文化や歴史への造詣が深く、欧米の指導者の中で類稀な知日派として知られていた。訪日回数は12年間に亘る大統領任期中だけでも40回を超えている。大の相撲ファンで、当時の在日フランス大使館の重要な業務はシラク大統領に場所ごとの取り組みの結果を速報することだったという。訪日時にはメモ用紙を片手に大相撲観戦を欠かさなかった。シラク氏は愛犬のマルチーズにもSumou(相撲)と名付けていた。1986年に行われた大相撲のパリ巡業の際には、シラク氏はパリ市長として自ら相撲巡業を主催、9年後1995年の2度目の大相撲パリ巡業ではフランス大統領として自ら主催者になっている。シラク氏が大統領を辞めたあと仏大統領を引き継いだサルコジ氏が、「ポマードをべったりつけて髷を結った肥満の男たちの格闘に魅了されるとは理解できない。相撲は、知的なスポーツではまったくない」とシラク氏の相撲好きを批判しても意に介せず、シラク氏は、自身の「回想録」の中で、人生に関する多くの教訓を相撲から学んだと明かしている。相撲について「戦いの前に、2人の力士が相互ににらみ合う視線以上に強いまなざしを知らない」と仕切りの奥深さについて語っている。シラク氏は、仏大統領に就任する前年の1994年夏、自分にとって私人としては最後となるバカンスの思い出にと、夫人と共に一ヶ月間日本に滞在、松尾芭蕉「奥の細道」の史跡を巡っている。シラク氏の「相撲愛」「日本愛」はまさに正真正銘のホンモノだった。ご冥福を祈りたい。