イタリアンレストランチェーンのサイゼリヤが、2035年までに中国の店舗数を現在の615店から倍近くの1000店規模に拡大すると発表した。中国では景気の減速から個人消費が低迷していて、消費者物価指数は先月もマイナスとなり、デフレ傾向が強まっている中での、サイゼリヤの1000店舗への拡大戦略の発表。しかし、サイゼリヤのミラノ風ドリアが300円、ワイン一杯(120ml)が100円など安さを売りにした戦略だけでは中国での成功は覚束ない。サイゼリヤが個人消費が低迷している中国で成功するために、低価格+本場イタリアの味という2つの戦略で顧客獲得を目指そうとしている点に注目すべきだろう。イタリア料理の基本であるオリーブオイルやワインを中間業者を通さずに仕入れることでサイゼリヤは食材コストをかなり抑えている。本場イタリアではイタリア料理の店は個人経営が多く、サイゼリアのような多店舗チェーン店が少ないため、ワインやオリーブオイルを一度に大量仕入れすることで食材コストを抑えることが可能になった。そしてイタリアのワイン蔵を一軒一軒直接開拓して仕入れ量を広げていった直輸入のワイン、さらにサイゼリアが使用しているオリーブオイルは全てイタリアで認証を受けているエクストラ・バージン・オリーブオイルのみと高品質な「マンマの食材」にこだわったサイゼリヤの低価格イタリアン、中国人もきっとBuono(ブォーノ)と叫ぶに違いない。