ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

50歳過ぎたら下山する景色を楽しむ、92歳作家五木寛之。

 1960年代から若者を中心に幅広い層にブームを巻き起こしたベストセラー青春小説を次々と世に送り出してきた直木賞作家の五木寛之さん。92歳になった現在、「人生100年時代」をどう生きるべきかについて、次のようにアドバイスしている。「人生100年時代、(人生を山登りに例えると)50歳をひとつのピークと考え、まずは人生の前半期で50年かけて山の頂をめざしていく。そして後半生、残りの50年でゆっくりと下山をしていくのです。下山というと、登山に比べて、少し寂しげな印象があるかもしれませんが、決してそうではありません。下山にこそ、自分の人生をより豊かなもの、より幸福なものにするための本質的な何かがある。私はずっとそう訴え続けてきました。また、過去を振り返り、回想することは、むしろ下山の醍醐味だと思います。登るときには、脇目もふらず、後ろも振り返らず、必死に上へ、上へと登っていきます。まわりを眺める余裕なんてなかったはず。だからこそ、山を下りるときは、自分の歩んできた道や下界の景色、自分が立った頂上などをのんびりと眺めながら下っていく。そうすることで登りでは気づかなかったこと、見えなかったものが見え、それが人生を豊かなものにしてくれるのではないでしょうか」。50歳を過ぎたあなた、「下山の景色」楽しめてますか?