
MLBナ・リーグ優勝決定シリーズ進出を決めた、ドジャース佐々木朗希投手の8回・9回・10回を跨ぐ3イニング無安打・無失点のスーパーリリーフはなぜ実現したのか、彼がピッチングで示した「数字」がその理由を明確に物語っている。米投球分析家ロブ・フリードマン氏は自身のXに、「ロウキ・ササキの、時速89マイルのフォークと時速100マイルのフォーシームを重ね合わせた動画」を投稿。佐々木が同じワインドアップから投じた2つのボールは、最初は同じ高さにあったものの、フォークはワンバウンドし驚異の落差を生み出し捕手のミットに収まった。フリードマン氏は、さらに88.4マイル(約142.2キロ)のスプリットを投じた場面に注目「とんでもない88.4マイルのスプリット/フォーク……回転数はたったの427。(記録を取り始めた2008年以降で、これよりも遅い回転数の低いスプリットかフォークを投げたのは、MLB史上最速となる球速105.8mph(170.3km/h)の記録を2010年に出したチャップマンだけだ」と驚きをもって伝えている。『Yahoo Sports』のジャック・ベア記者は、佐々木投手が連続して投じたスプリットについて「最初の球は左方向に8インチ(約20センチ)曲がって落ちて(スライダー領域)空振りを奪い、次はわずか1インチ(約3センチ)縦に落ちて見逃し三振を奪った。さらにひとり前の打者には、右側に8インチ折れて沈むスプリットを投げていた。なんてこった。普通じゃ考えれない。片側に8インチ曲がり落ちた球が、今度は反対方向に8インチも動くなんて。唯一説明できる球種はナックルだが、佐々木はスプリットとして完全にコントロールしている。だからこそ唯一無二の「佐々木だけが投げられる魔球」なのだ。