「子供が生まれない日本は近い将来国が滅ぶ」と世界一の大富豪イーロン・マスク氏が指摘した意味は、「国を維持するための「税金」を払う人が居なくなってしまうから」という意味なのだが、日本の政治家はいまだにこの単純な意味を理解できていない。このことに気づいた日本と同じ少子化に悩むハンガリー政府は、2010年から2022年の10年間で、婚姻数を2倍に増加させ、出生率を1.23から1.61へと3割向上させた。ハンガリーの「少子化対策」は「働く人への減税」「家族形成支援」「教育・職業支援」の3つの柱で構成される戦略的アプローチだ。少子化対策に「2万円バラマキ」が関の山の日本には到底できそうもない本気の「少子化対策」と言える。子供3人で最大5000万フォリント(約1900万円)の返済不要の住宅補助金を提供し、母親の年齢が35歳までに限定したベビーローンで最大1100万フォリント(約430万円)まで無利子で借りられ2人目の子供で50%、3人目で100%の債務免除が適用される。子供を産めば産むほど借りたお金を返さなくてもよくなる制度だ。さらに、子育て支援として公私の保育園・幼稚園、公立なら高校まで学費無料(所得制限なし)とし14歳以下は交通費無料で子供の移動費用を大幅に削減している。こうして、国のために税金を払い続けてくれる「国民」を増やすことに成功したハンガリー政府は、どこかの国と違って賢い政治家が揃っているようだ。