世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が、WBA世界同級1位ラモン・カルデナスに8RTKOで勝利したラスベガスでの防衛戦。この試合で主審を努めたレフェリーのトム・テイラー氏が、ボクシング専門ラジオチャンネル「Fight Nation」に出演し、2Rにまさかのダウンを喫した場面で、井上選手のカウントを取るために井上の正面に回ってヒザをついた際に「彼には全くダメージがない」ことを理解したと語った⇧。司会者から「あなたにとって、彼の目は少しうつろに見えた?それとも、立ち上がった時は全く問題ないように見えた?」かと問われたテイラー氏は、「もう一度動画でその場面を見てもらえれば分かると思うが、私が4、5カウントを数えた時には、もう彼は片膝をついて私を見て、しっかりと頷いていた。彼がすぐに立たなかったのは、自分を落ち着かせるため8カウントまで待っていたかっただけなんだ。本当に全く問題なかった。私は彼が完全に問題ないと信じて疑わなかった」とカルデナスのパンチによるダメージはほとんど受けて無かったと証言した。ラスベガスの会場が静まり返る異様なムードの中でも動じず、しっかりと心の動揺を落ち着かせるために片膝をつきながら8秒を待って立ち上がったモンスター井上、「この男は、観客が求めているもの、つまり倒されてもすぐ立ち上がる姿を見せてくれる。あれ以上のものはないだろう」とテイラー氏は、不死鳥のような井上尚弥のパフォーマンスを驚きを持って振り返った。