ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

無敗の井上尚弥、初ダウン「倒そうと力んだんだよ」とウィザスプーン。

世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が、世界2階級制覇王者ルイス・ネリにKO勝ちし27戦無敗(24KO)となった事を受け階級を超えた世界最強ボクサー「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」に2年ぶりに返り咲いた。しかし、プロ・アマ通じて初のダウンを喫したネリとのこの試合の衝撃は大きかった。1R至近距離で左アッパーを放ち、続けて右フックを打とうとした瞬間ネリの左フックをまともにアゴに食らって井上は思わずダウンした。「死角から入ってきて見えなかった。その角度の調整のミス」と井上は死角から来たパンチだったと言い訳した。ところが、井上の初ダウンについてWBC・WBAの元世界ヘビー級チャンピオンで以前から井上のファンだと言うティム・ウィザスプーン(⬆右)が、ダウンシーンの映像を何度も巻き戻して見た上でその理由を明快に解説した。「(東京ドームの)4万人もの観衆を前にしたら、どんなファイターだって緊張するさ。いいパフォーマンスをして、ファンを喜ばせてやろうと知らず知らずのうちに力んだんだよ。ダウンする前に勢いよく右フックを振るっていただろ、その時も左のガードが低かった。いつものイノウエじゃなかったな。荒々しい攻撃を武器とするネリに打ち勝つ!そんな思いで接近戦を挑んで、喰らっちまった。倒そうという意識が強いばかりに、ガードが下がった。打ち終わりの拳の引きも遅れた」、ボクシングの名伯楽ウィザスプーンの目は鋭い、力み過ぎていた井上のガードが下がっていた場面を見逃さなかった。