ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

人生初ダウン、井上尚弥ピンチを脱した残り80秒をデータ分析。

27戦無敗(24KO勝利)で階級を超え世界最強ボクサーに2度選ばれた井上尚弥選手が、    5月6日のルイス・ネリ戦で1R人生初ダウンを喫した場面は、一瞬、日本中を凍りつかせる出来事だった。結果的には6RにTKO勝利を収めたが、この1R1分40秒にダウンしたあと残り「80秒の危機」を井上選手がどうやって乗り越えたのかを、スポーツ解析メディア「SPAIA」がデータ分析した結果を公表した(⬆上右)。ダウンの衝撃を回復するためカウント8(10秒間)まで立ち上がるのを待った井上、しかし再び立ち上がると、ここで仕留めようと勢い込んだネリが、1発当たれば再びダウン確実と思える強烈な左右のフックを矢継ぎ早に振り回してくる、ここからが井上の超絶テクニック、ダッキング(前に屈む防御姿勢)で、ことごとくネリのパンチに空を切らせたのだ。(YouTube参照)パンチを一発も当てさせないこの俊敏なダッキングは、 井上の天性のカンによるものだろう。その後もこれまでやったことのないクリンチやレフェリーを盾にしてネリのパンチを防ぎつつダウンの衝撃からの回復を待ち、ダウンから60秒後、井上はネリに向かって不敵な笑みを浮かべ、ようやくピンチから脱出した表情を見せる。「SPAIA」の分析データによれば、1Rでネリが放ったパンチは55回、しかし井上に当たったパンチはダウンさせた左フックを含めてたった4発、ネリのパンチは51回も空を切ったのだ。一方の井上が1Rで放ったパンチは29回、当てたパンチはネリより多い5発だった。ちなみに6RTKO勝利までに井上が放ったパンチ総数は278回で82発がヒット、一方のネリは180回パンチを放ちヒットしたのはわずか13発だった(⬆右グラフ参照)。人生初のダウンを喫したものの、井上はネリのパンチを167回も空を切らせるディフェンス技術の高さで、6RTKO勝利を手にすることが出来たのだ。