カタールW杯の初戦、サッカー日本代表は、W杯4度の優勝を誇る強豪ドイツ相手に逆転勝利というジャイアントキリング(大番狂わせ)を起こした。前半33分にPK献上から失点した日本代表チームは0−1で迎えた後半、勝利への執念を見せた。後半26分から出場した堂安選手がわずか4分後、左サイドから三笘がペナルティエリア左にスルーパスを供給、タイミングよく抜け出した南野がワンタッチでシュート、GKが横っ跳びでこれを防いだが、こぼれ球を堂安が左足で強烈にシュート(⬆上写真)値千金の同点弾を挙げたのだ。さらに8分後に得たFKで板倉がロングボールを前線へ送ると、抜け出した浅野がスピードを生かしてペナルティエリア右に進入GKのニアサイドを冷静に撃ち抜いてネットを揺らし逆転に成功した。逆転勝利を呼び込む同点弾を放った堂安選手は「俺が決める気持ちだった。俺しかいないという強い気持ちで入った」と試合後のインタビューで胸を張った。これを見たNHKの実況中継アナが「大した自信ですね」と皮肉っぽい感想を述べたが、この「自信」こそが、これまでのアグレッシブ(攻撃性)に欠けていた日本サッカーに奇跡をもたらしたのだ。一夜明けてドイツのサッカー専門誌『KICKER』は、「ドイツは日本のアグレッシブな采配にゴールをこじ開けられた。後半に投じられたジョーカー(途中出場で試合の流れを変えられるアグレッシブな選手)の堂安に痛恨の同点ゴールを、さらにもう1人のジョーカー浅野にも得点を決められてしまった。勇敢なるサムライたちのアグレッシブな闘いぶりが功を奏した試合だった」と報じた。