セックスシンボルとして名高い女優マリリン・モンローが主演した1959年作のコメディ映画『お熱いのがお好き』 ⬆。聖バレンタインデーの虐殺を目撃したため、マフィアに追われる身となったサックス奏者とベース奏者が、シカゴから逃げ出すためにフロリダに向かう全員女性の楽団に潜り込む。女装して女性楽団にもぐりこんだ二人は、その楽団の女性歌手でウクレレ奏者のシュガー(マリリン・モンロー)に恋をしてしまい、サックス奏者は石油会社の御曹司に化けてマリリンモンローにプロポーズする。一方で女装したベース奏者は、本物の大富豪から求婚されてしまう、というドタバタコメディーだ。この映画のタイトル「お熱いのがお好き」とは、セックスシンボルとして名高い主演のマリリン・モンローを指しているのかと思ったら、マザー・グースの『Pease Porridge Hot(熱々の豆がゆ)という「遊び歌」がタイトルの由来だという。Some like it hot / Some like it cold / Some like it in the pot Nine days old(お熱いのが好きな人もいれば 冷たいのが好きな人もいる 9日前から鍋に残っていたのが好きな人もいる」という歌で、豆がゆひとつにしても「人の好みは様々」であるという教えが込められている。監督のビリー・ワイルダーは、この映画を通して「人の好みは様々」と言いたいためにタイトルを「お熱いのはお好き」としたようだ。