ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「人生すべてつかの間のタワ言」98歳の小説家佐藤愛子さん。

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御年98歳になる直木賞作家の佐藤愛子さん⬆。23歳でモルヒネ中毒の夫を亡くしたり、44歳で2度目の夫が倒産、離婚と膨大な借金の肩代わりを経験するなど、波乱万丈の人生を体験してきた。今年11月には白寿(99歳)を迎える佐藤さんが、週刊朝日で作家・林真理子さんと対談し、現在98歳の「死生観」について語った言葉が興味深い。「体が思うように動かなくなったら、我々凡人はもう死んでもいいわ、と受け入れる気になっていくんですよ。若いうちは、自分の好きなようにいろんなことができるからこの世にいたいわけだけど、何にもできないのにいてもしょうがないでしょう。それで、少しずつあきらめていく。そうやってだんだん死を容認し、迎え入れる気になるんだと思うのよ、人間は。だから死ねるの。うまくできてるのよ。衰えなければ、なかなか死ぬ気になれないでしょう? そう考えると、死ぬのが嫌ではなくなってきたの。98まで生きたらね、すべてつかの間のタワ言(冗談)ですよ」。佐藤さんが90歳の時に書いたエッセイ集「90歳、何がめでたい」は、発行部数が128万部を突破している。明るくユーモアあふれる文章で、自らの「老い」を見つめたそのポジティブな一冊には、人生は「すべてつかの間のタワ言」と仰る佐藤さんならではの「達観した人生感」が込められていたから、読者の共感を得たに違いない。