イギリス・グラスゴーで開催されたCOP26で、南太平洋の島国ツバルの外務大臣がリモートで出演、スーツ姿でヒザ上まで海に浸かりながらスピーチ⬆、気候変動の緊急性について訴えた。3年前、NZのオークランド大学気候変動研究チームが航空写真や衛星写真を駆使してツバルの9つの環礁と101の岩礁について1971年〜2014年までの43年間の地形変化のデータを分析した結果、ツバルの陸地総面積が73.5ヘクタール2,9%も拡大していることがわかった。それでもなお、ツバル政府は「沈みゆく国ツバル」をなぜアピールし続けるのだろうか。これまでのツバルの歴代首相も「先進国が化石燃料を浪費して繁栄している陰には ツバルのような島嶼国の犠牲があるから」と力説し続けてきた。こうした主張が世界中の共感を呼び、温暖化対策の名目でさまざまな資金援助を世界的に無名だったツバルが受けられるようになったのだ。この結果、人口ひとり当たりの名目GDPが2002年には2620ドルだったのが2016年には3640ドル、2019年には4280ドルにも増えたのだ。ツバル政府の財政を支えているのは、こうした海外からの資金援助と出稼ぎによる仕送りが大きい。日本も累計で無償資金協力と技術支援を合わせて約132億円を拠出している。国が沈むどころか国土面積が増えているツバル、それでもなお、あざとい「沈む国アピール」を続けて世界からの援助金をせしめ続けるつもりだろうか(笑)