東京オリンピックの男子サッカー準々決勝でニュージーランドと対戦して延長戦までをスコアレスで終え、PK戦の末、4-2で勝利したU-24日本代表⬆。ニュージランドはGK谷晃生が2人目のシュートを横っ飛びで止め、3人目がキックを大きく外したのに対して、日本はキッカーを担当した上田綺世、板倉滉、中山雄太、吉田麻也の4人全員がゴールを決めてベスト4進出を果たした。森保監督は勝利したPK戦について「スタッフで見て順番を決めることも考えましたが、PKのキッカーとしての思いもあると思いましたので、挙手でキッカーを募った」と明かしたのだ。日本人で初めて日本代表監督と五輪代表監督を兼任している森保監督は、歴代の日本代表監督ジーコ(勝ち率51%)、オシム(勝ち率60%)、ザッケローニ(勝ち率55%)のなかで、勝ち率68%という驚異的な勝ち率を残している歴代トップの監督だというのをご存知だろうか。しかし世間からはこれまで「戦術が不明確」「選手に任せすぎる」など厳しい評価が下されてきていた。しかしながら、今回のPK戦のキッカーを選手の「挙手」で決めるという森保監督のアイデアが功を奏してニュージランドに勝利できたのは間違いない。勝利の後の監督インタビューで、「非常に強い思いを持って彼ら4人が決めてくれて、(準決勝へ)駒を進めることになったのはすごく嬉しい」と語っている。PK戦に自ら手を挙げた4人の選手の「強い思い」に全幅の信頼を寄せた森保監督、まさに名将であると言えるだろう。