サッカー日本代表が、W杯決勝トーナメント1回戦で、1-1のまま突入した延長戦でも決着がつかず、PK戦の末に敗退となってしまった。2010年南アフリカ大会と同じPK戦までもつれ込みながらの敗退に、海外のファンからは「今大会、日本は本当によくやったけどPKの蹴り方を知らない」「日本人には気の毒だけどPKはマジで下手くそだったぞ」「日本のPKはメチャ弱かった。4本中3本は地面から浮くことすらなかった」と手厳しい声があがった。そこで思い出すのは2008年FIFAクラブワールドカップで、あのロナウドを擁するマンチェスター・ユナイテッドVSガンバ大阪戦での遠藤保仁選手のPKシーンだ。世界屈指のGKであるファンデルサールとの対決に遠藤はいつものようにゆっくりと助走しながらファンデルサールが静止したままなのを見て、強めに左へ蹴り込み、ファンデルサールの腕の下をボールが通過しPKを決めたのだ。JリーグでPK成功率89%を誇る元日本代表の遠藤選手、彼の「コロコロPK」と呼ばれるシュート術は、見ている誰もが、それで本当に入るのか?と目を疑ってしまうような弱いシュートだが、最後までゴールキーパーの動きを注視して、落ち着いてゴールキーパーの逆をつくことで成功率をあげることができるのだ。GKの動きを観察しながらゆっくりとボールに近づき、ボールを蹴る瞬間にGKの逆をつくため、コロコロとボールを転がしても入ってしまうのだ⬆。遠藤選手が心掛けた「GKの動きを蹴る寸前まで観察する」、今回、自ら手を挙げたのにPKに失敗した選手達は、その「蹴る瞬間ギリギリまでの観察眼」が不足していたように思われる。