WBA、IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(27)が、初めてのラスベガス参戦で、WBA同級2位ジェーソン・モロニー(29)に7回に右のストレートを顔面にヒットさせ1発KOで勝利した。そのパンチの威力がいかに凄いか、スローモーション映像で見ると、打たれたマロニーの後頭部からその瞬間、汗が衝撃によって飛び散る様子が映っている ⬆。井上が「フィニッシュは納得のいくパンチだった」と振り返った一発を顔面にあびたモロニーは崩れるように倒れ、10カウントを聞いても立ち上がることができなかった。井上選手が「納得のいくパンチ」と言った意味は、ボクシングの理想である1撃で相手を倒すことができたパンチを指している。6年前のWBC世界ライトフライ級で6RTKOで勝利して以来、井上選手は強烈なパンチが売りでありながら、世界戦では14戦でTKO勝利が9試合、KOでの勝利はわづか2回だった。今回1発KOで倒せた理由について井上選手は、マロニーは「すごくガードが固くてテクニックもあり、崩しにくい選手だったんで、2つのパンチ(6回にダウンを奪った左フックと7回1発で倒した右ストレート)はすごく練習してきたんで、それが試合に出せてホッとしています」と話し、「試合を通して、その場面場面での自分の判断力を、前回のドネア戦を通して学んだので、その時よりもパワーアップしていると思う」と自らの成長を口にした。 ボクシングで最大の魅力である1発KOシーン。自ら「パワーアップしている」と自信を見せた井上尚弥。これからの試合で、さらに衝撃的な1発KOシーンが見られそうだ。