ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「私は黒人です」日本人の心に突き刺さる大阪なおみのコトバ。

f:id:gunjix:20200827125330j:plain

女子テニスの大坂なおみ(22)選手が、自身のSNSを更新し、現在、ニューヨークで開催中のウエスタン・アンド・サザンオープン準決勝の試合を棄権すると発表した。先日、ウィスコンシン州ケノーシャで起きた警察官による黒人男性銃撃事件に抗議の意思を示したもので、ツイッターで大坂は「私はアスリートである前に黒人女性です。また、黒人女性としてテニスをするよりも大事なことがあると感じています。プレーしていない時に何かが起こるとは思いませんが、大多数の白人スポーツの中で会話を始めることができれば、正しい方向への一歩だと思います」と書き込んだ。この大会の開催地ニューヨークは、2年前全米オープンで大坂がグランドスラム初優勝を遂げた思い出の地。大坂も「特別な場所。いいプレーを見せたい」と試合前に話し、激闘をしのぎながら優勝目前の準決勝まで進んでいたゲームなのに、なぜ突然に試合を放棄したのかと、多くの日本人はもったいないと訝しむ。しかし、大坂なおみの答えは実に明快だ。「私はアスリートである前に黒人女性です」。この重い言葉の中に、「人種差別」に毅然と立ち向かう彼女の人と成りが伺える。日本人の血を引く彼女に、オリンピック出場の際には「日本国籍を」とあれほど騒ぎ立てた日本のマスコミは、「私は黒人女性です」と明言した彼女を今度はどう伝えるだろうか。今回の白人警官による子供の目の前での黒人男性銃撃事件、傍観するだけの日本人とは違い、人種差別への「怒り」を準決勝の試合を放棄してまで示した大坂なおみの心中を、我々日本人は重く受け止めるべきだろう。この後、彼女の準決勝出場棄権を受けて主催者側は急遽この大会の1日延期を発表、大坂なおみは自分の抗議の意志が認められたとして「主催者に感謝したい」と述べ、再出場を発表した。めでたし、である。