「こんにちは赤ちゃん」「二人でお酒を」などの大ヒットで知られた歌手の梓みちよさんが76歳で亡くなった。彼女と言えば、34年前の86年にテレビ番組「さんまのまんま」内で起こした「シャンパン事件」が思い出される。当時の梓みちよはすでに人気が衰えていた43歳、対するさんまは人気上昇中の31歳だった。その時の会話 梓「あなた私の事好きなの?」さんま「好きでしたよー」梓「でしたよ(過去形)?」と不満あらわに飲みかけのシャンパンを突然さんまにかけた。さんまは笑いながらかけられたシャンパンを拭いたが、その笑顔の裏側で怒りを抑えているのが見て取れる。さんま「かなわんわー。そんなんしていつも男の人にシャンパンかけよるんですか?」梓「うん」さんま「おかしな人とデートしてはるんですなー(笑)」ここで2度目のシャンパンが強めにかけられると、さんまの顔から瞬時に笑顔が消える(⬆上の写真)。後にも先にもテレビ画面でさんまが唯一見せたスのキレ顔だ。さんまは、おもむろに立ち上がって梓をにらみつけ、さらにポケットに手をつっこんでフテ腐れた様に席を離れ、部屋を出て行くかと思わせて、急にしゃがみこみ「アァー冷たかったぁ~」と声を上げておどけて見せ観客の大爆笑を誘う、それに釣られた梓の笑った顔も画面に映り、ハラハラしていたテレビの前の視聴者を安堵させる形で対談は終了した。番組内で2度に渡るシャンパンかけに、さんまが一瞬「本気」になったのは事実だろう。しかし、自分が怒って番組を壊してしまう事より、お笑い芸人としての「根性」を見せたさんまのとっさの「神対応」に感心した34年前の「梓みちよシャンパン事件」だった。