ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「そんな事するもんじゃない」浜田雅功を叱った柳生博さん逝く。

八ヶ岳の南麓、大自然に囲まれた我が家で老衰で亡くなった俳優の柳生博さん。温和な自然人だった柳生さんが、過去に珍しくTV番組の中で怒ったことがあった。それは柳生さんが、かつてダウンタウンの番組に出演した際、浜田雅功にツッコミで頭をはたかれるとムッとした表情を見せ、「そんなこと、するもんじゃない」と番組の中で叱責したのだ。どんな大物スターでもその頭を叩いてツッコむことで笑いを取るお笑い芸人浜田雅功のノリを毅然として払い除けた柳生さんの突然の叱責に浜田雅功は思わず鼻白んだ。自然体の生き方を旨とした柳生さんは、40歳で思い切って東京生活を辞めて八ヶ岳に移り住んだ理由をこう語っていた。「ある時期から猛烈に売れ出して、年間600本ぐらいテレビの仕事があったりして、僕自身も夫婦も家族もバランス崩れて収拾がつかなくなったのね。もう壊れちゃう、危ないと感じたとき「そうだ!野良仕事をしよう」と思い立ったわけです。今から30数年前、ちょうど40歳の頃かな」。「土地を少しずつ買い取っては自分の手で落葉広葉樹を植えた。新しい木を何千本も植えて10年経ち、20年経って、ある種のクライマックスを迎えた森を想像しながら。そうやってひたすら野良仕事をしているうちに、森が息を吹き返してきた」「日本人は、2000年もの長きにわたり。木や水や石やいろんなものに畏敬の念を持ちながら、自然を滅ぼさないように里山や奥山まで手を入れて、そうやって品よく折り合いをつければ、森には花が咲き、鳥が歌うわけですよ」。自分の手で育んだ森がクライマックスを迎えたのを見届けて亡くなった柳生博さん、ご冥福を祈りたい。