ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

井上尚弥が、あの「顔面骨折」ドネアの一撃を振り返る。

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ボクシングの歴史に残るであろう名勝負、井上尚弥(26)対ノニト・ドネア(37)のWBSSバンタム級王者決定戦。井上選手は、自身のキャリア初となる瞼(まぶた)のカット、そして右目眼窩底(がんかてい)と鼻骨の骨折という重傷を負いながらも、4階級制覇のレジェンドであるドネアに圧勝して見せた。しかし、秒殺KOでモンスターと恐れられてきた井上選手が、あれほど深い傷を負ってしまったパンチをドネアからナゼ喰らったのか、試合から2ヵ月経って、井上選手がその真相についてようやく明かした。問題の一発は2R2分、ドネアがボディアッパーからのコンビネーションの最後に放った左フックが井上の右目を直撃した(⬆上の写真)。「あの左フックだけは貰っちゃいけない。そう考えながら準備してきたんですけどね……パンチ自体は見えていたんです。ドネアの目線と肩の軌道から『ボディに来る』と予測して、意識がちょっと下に向いたところに(右目に直撃した)フェイントですよね。一瞬のスキを突かれたというか、キャリアの差というか。プロで18戦闘ってきたなかで、あれほどモロに食らったパンチはなかったですし、一発で2ヵ所も骨が折れるなんて完全に想定外。初めて『ヤバい』と思ったパンチでした。ただ、パンチ自体は見えていたので、倒れることはなかったですね」そして、「『この(ボヤケた)視界じゃ絶対に倒せない』って、冷静になれたんですよ。(次の)3Rからすぐ、ポイントを取りながらジャブを突いて進めていく、本来、自分が得意とするスタイルに切り替えられた。もし、『あの左』を貰わずにラウンドが過ぎて行っていたら、ハイテンションな状態で貰っていたら、違った展開になっていたと思うんです」視界がボヤケるほどの左フックをドネアに不意打ちされたことで、次のラウンドから戦術を変え、11Rで強烈なレバー打ちでドネアをリングに這わせた井上尚弥、モンスターと呼ばれる所以(ゆえん)である。