米国の市場調査会社ニールセンが、「約88%のアメリカ人が、テレビを見ながらスマートフォンを使っている」というデータを発表すると、テクノロジー系メディアのArs Technicaが「テレビを見ながらスマートフォンを使う」といったマルチタスク(同時視聴)が、人間の脳に負の影響を与えていると、警鐘を鳴らした。テレビやスマートフォンなどの複数のハードウェアを同時に使う「マルチ端末同時利用」をよくする人の脳を調べた研究から脳機能が低下しているという事実が明らかになったと言う。英国サセックス大学のロー博士と金井博士の研究グループが、75人の成人被験者を対象にメディア端末の利用方法に関するアンケート調査とMRIを使った脳構造の検査を行った所、メディア端末を同時に使う頻度の高い人のグループは、同時利用をしてない人のグループに比べて、脳の前帯状皮質=ACCの灰白質の密度が小さいことが明らかになったと言う。前帯状皮質=ACCは、共感や情動といった認知機能に関わる部位とされており、研究チームは灰白質密度が小さいという事実が、これまでの研究で指摘されてきた「同時視聴による脳の認知機能や社会的感情の悪化との因果関係」を強く裏付けるものだと結論づけている。調査結果を発表したロー博士は「メディア端末の同時視聴は、認知機能の低下や幸福感への悪影響が懸念される」と指摘している。ところであなた、テレビを見ながらスマホをいじったりはしてませんよね(笑)