ワールドカップの南アフリカ、ブラジル、そしてロシアと3大会連続でその舞台に立ち続け、すべての大会でゴールとアシストをマークし、サッカー日本代表の歴史に自らの名前をはっきりと刻み込んできた本田圭佑選手。プロサッカー選手としての第一歩を踏み出した名古屋グランパスから、オランダのVVVフェンローへ移籍、その後も、ロシアのCSKAモスクワ、ミラン、パチューカ、メルボルン・ビクトリーと世界6ヵ国のチームでプレーしてきた彼は、現在、現役最後のチーム選びでも、日本のJリーグはまったく念頭に無いようだ。その理由として「日本には僕がいなくても、頑張っている選手が大勢いる。みんなが頑張っている日本はちょっと窮屈というか、海外の2メートル近い大男たちと喧嘩したい日本人というのもいるわけです。そういうところに刺激を求めていく日本人も、何人かはいないといけない。そういう点で、我々の役割分担というのも職種に関わらずあるのかなと考えています」と語っている。かつて中村俊輔や内田篤人が「ヨーロッパで積み重ねてきた経験を還元したい」という理由で、最後にはJリーグにそれぞれ復帰した。「普通は帰ってくるものだ」と思われがちだが本田選手は「普通は、と言われると『普通って何や』と、それこそ一日中考えてしまうんですよ。その意味で、僕は常識というものが大嫌いなんですよね」とあえて自分を追い込みプレッシャーをかけることで、さらなる高みを目指す。他の日本人サッカー選手とは一線を画して「普通って何や?」とあえて「非常識」な自分というものを貫きながら、もうすぐ33歳を迎える本田選手。現役最後のステージが何処になるのかに注目したい。