4月1日の新元号の発表のまえに、マスコミ各社の新元号名スクープ合戦が熱を帯びている。政府は「新元号名が外部に漏れた時点で元号名を変更する」という予防線を張っているが30年前の元号名予想はマスコミ各社があらゆる手段を使って新元号名をスクープしようとしのぎを削っていた。昭和天皇が崩御した1月7日の午後2時36分、小渕官房長長官の手で新元号「平成」が発表されたのだが、その36分前の午後2時に毎日新聞の記者(現在でも匿名)が新元号名が「平成」であることをスクープしていた。しかし元号発表のわずか30分前であったためにこの時点では他社が間に合わない夕刊の「3版」(東京都心部よりもっと広い地域に配られる版)に「平成」の文字を入れることができただけだった。結果としては他社をわずかに先んじただけのスクープ結果だった。ではなぜ発表の36分前になって新元号「平成」がスクープされてしまったのか。当時の元号発案者は、「修文」を推していた中国文学者目加田誠氏、「正化」を推していた中国哲学者宇野精一氏、「平成」を推していた東洋史学者の山本達郎氏の3人(⬆上の写真)だったことが現在明らかにされている。当時、マスコミ各社は、この発案者である宇野氏・目加田氏・山本氏の3人にぴったりと張り付き何とか決定した新元号名を聞き出そうとしていた。そんな中、目加田氏に毎日新聞の記者が氏の発案した「修文」で決定ではないのか?と電話で問い合わせたところ「いや、私じゃないよ」と電話口で答えた目加田氏は、自宅に詰めていた記者達が多勢いる中で「新元号は平成らしい」とうっかり口を滑らしてしまったのだという。新元号発表の直前であったために目加田氏が油断してしまったこのうっかり発言を毎日新聞の記者がスクープしてしまったというわけだ。さて、今回の新元号名の発表前にマスコミによるスクープが再び起こるのかどうか注目だ。