ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

365年前、天才画家レンブラントは裸婦の「乳がん」までリアルに描いた。

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天才画家レンブラントが今から365年前の1654年に描いた『ダビデ王の手紙を手にしたバテシバの水浴』という1枚の絵。イスラエルの王ダビデの妻となる美しい女性バテシバの水浴する姿を描いたものだが、この絵で注目されるのが水浴するバテシバの裸身像の胸の部分だ。(⬆上の写真)左の乳房の外側にくぼみと脇の下に腫れがみられる。これは、乳がんによる陥凹(かんおう)病変と腋窩(えきか)リンパ節腫脹である可能性が高いと現代の医者の多くが指摘しているのだ。現代の医学では、乳がんは自分で発見することが可能ながんとされ、乳房を自己触診して、しこりの有無を確認することが奨められているがしこりだけでなく、えくぼ兆候(乳房にえくぼのようなくぼみができること)という形でも症状が現れるという。このようなしこりやくぼみは、乳がんの早期発見にとって重要な乳房の変化なのだという。「光と影の魔術師」と呼ばれた17世紀を代表する画家レンブラントならではの光と影のリアルな描写によって乳がんの症状までクッキリと描き出されてしまったこの絵の女性モデルは誰だったのか。それはレンブラントの息子の乳母をしていたヘンドリッキエという女性で、レンブラントが妻の死後、内縁の妻にした女性だという。この絵が描かれた当時に乳がんを患っていたと思われるモデルを努めたヘンドリッキエはこの絵の完成した9年後に亡くなっている。この絵を制作していた時期、レンブラントはヘンドリッキエの妊娠と経済的な破産とが重なり、苦難の中にあったという。さらに365年前の当時では病名のわからなかった病気(乳がん)が、ヘンドリッキエをじわじわと蝕んでいったことにレンブラントの苦悩はいっそう深まっていったに違いない。