ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

イチローは「50歳まで現役」をなぜ急に取りやめたのか。

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イチロー選手は「50歳まで現役」と初めて公言したのは、今から17年も前のメジャー2年目を終えた02年ごろだ。当時29歳。イチロー自身、体力的にも技術的にも「50までやれる」という自信があったからの発言だったと思われるが昨年のマリナーズへの再入団会見の際にも「皆さんにわかって頂きたいのは、僕が50歳までプレーしたいと言った時、それは最低でも50歳まで、という意味です」とあらためて「50歳まで現役」でいたいという自分の意思をハッキリと公言していた。なのに、45歳という道半ばで現役続行をなぜイチロー選手は断念してしまったのだろうか。MLB投手の球速が年々アップし直球の平均球速が01年に約142キロだったのに18年には約151キロまでアップし、体力が衰えたイチロー選手のスイングスピードでは追いつけなくなってしまったのが一番の理由だという説もあるが、「50歳まで現役」を断念せざるを得なかった裏には所属するマリナーズ球団がイチローのプライドを傷つけない巧妙な「引退シナリオ」を用意したからだ。マリナーズ球団が仕掛けたその「引退ドラマ」は昨年5月に始まった。打撃不振だったイチロー選手に球団は「会長特別補佐」という肩書を与えて選手登録から先ず外した。それと同時に来シーズンの日本での開幕戦で「現役復帰」すると言うことまでその場で同時発表していたのだ。そして今シーズン、球団はイチロー選手をマイナー登録の選手とし、特別枠で開幕戦だけスタメンに起用するというイチロー選手が「引退せざるを得ない」完璧なドラマを作りあげたのだ。引退会見で「最低50歳までと本当に思っていました。それはかなわず有言不実行の男になってしまいましたけど、その表現をしてこなかったら、ここまでできなかったかなという思いもあります」と語ったイチロー選手。マイナーへ落とされても現役でプレーすることに貪欲にこだわろうとしたイチロー選手に、マリナーズ球団はその偉大なキャリアを汚すことのない「引退の花道」を「東京ドーム」に用意したというわけだ。