ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

東京ドームで「死んでもいい」と思ったイチローはナゼ無言だったのか。

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MLB開幕戦にマリナーズが延長12回でやっと勝利した試合終了後の午後11時近い時間、東京ドームでは終電が無くなる時間も気にせずに4万人を超えるファンがイチローが再びグラウンドに現れるのを今や遅しと固唾を呑んで待ち構えていた。テレビ画面は球場に残った4万人を超える観客を大写しし、あのイチ・メーターのエイミーさんも席を立たずに見守る中、ベンチ裏に消えていたイチロー選手がその30分後ようやく球場内に姿を現すと満員の客がどよめき総立ちとなって出迎えた。イチロー選手はこんな時間まで残ってくれていた満員の観客に驚いた様子を見せながら、その声援に答えるように右手をあげグラウンドをゆっくりと一周した。あの日本野球界のスーパースター長嶋茂雄選手が引退した時とまるで同じ光景だ。手を上げたままのイチロー選手は最後に中央のピッチャースマウンドに立ち「黙ったまま」両手を振って満員の球場を後にして行った。深夜までイチローに声援を送り続けた東京ドームの観客やテレビ中継で見守っていたファンに一言の挨拶もしないままで東京ドームを去って行ったイチロー選手、皆はあの長嶋選手の引退の際の名ゼリフ「巨人軍は永遠に不滅です」のようなイチロー選手の名ゼリフを聞きたかったのに彼はなぜそうしなかったのか。その理由は、日本の球団とは違うMLB球団マリナーズの広報スタッフがこの場を仕切っていたからだ。30分以上スタンドに残った観客を待たせたのも米国マスコミへの引退記者会見を優先していたからだし、日本式にグラウンドでイチロー選手が最後の挨拶をするためのマイクスタンドも用意されていなかった。その結果がアメリカ式の観客へ手を振るだけの無言の「お別れ」になってしまったのだ。イチロー選手が「あんなに(ファンが)球場に残っていてくれて『死んでもいいという気持ちはこういうことだろうなと』その感動した場面について語ったのが、遅い時間まで球場に居残った4万人のファンにとって、せめてもの「救いの言葉」だったに違いない。