麻生太郎財務大臣が経団連の夏季フォーラムで、日本がデフレ脱却がなかなか思うようにゆかない原因は個人の金融資産960兆円が消費に回らないからからだとその理由を説明した。中でもその殆んどを占めている老人世帯が消費をしないのが原因だと嘆いたのだ。その挙句に老人たちに向けて「出会い系サイト」を作って消費を促したらどうだろうか、という陳腐な提案まで行った。このブログで繰り返し述べてきたことだが、老人世帯に金を使わせたいなら年間500億円を老人世帯から騙し取っている「オレオレ詐欺」の手口を政府はしっかりと学ぶべきなのだ。イソップ物語の太陽と北風の話のように上から目線の政府の「金を使え」の命令は老人達にとっては北風のようなもので、子供や孫を装うオレオレ詐欺の犯人達の「お金のおねだり」は老人にとっては太陽に見えてしまっている現実を直視すべきだろう。何百万何千万を平気で子や孫を装った犯人達に気軽に渡してしまうところに老人世帯の消費を促す大きなヒントがある。つまり老人同士の出会い系サイトより、子や孫のために使わせることに政府が頭をめぐらすほうが老人世帯の消費を促す手っ取り早い方法になると思われる。大きな金額が動く住宅ローンの「親子ローン」将来孫が海外留学するための「孫留学ファンド」など子や孫をテーマにした消費アイテムを次々に商品化すれば老人世帯の金の動きは活性化するに違いない。それにしても1年間で総額500億円もの金額をやすやすとオレオレ詐欺に手渡している老人世帯が他の国にはどれほど居るだろうか?まさに金満ニッポンの恥ずかしい姿である。