国会の防衛委員会でアントニオ猪木氏が「北朝鮮からのミサイルを迎撃した場合、空中で核爆発しないのか」という素朴な質問をした。これに対して防衛省の政策局長が「迎撃によって起爆装置の機能は喪失する。従って核爆発による被害は発生しない」と答弁したのである。またサリンをミサイルに搭載した場合でも迎撃による破壊による高熱でサリンの猛毒は無力化されてしまう、という国会答弁が以前にもあったのを思い出した。果たしてこれらの防衛省による国会答弁は本当なのだろうか。過去にミサイル破壊によって核爆弾やサリンが無力化してしまうという実験例を我々は聞いたことが無い。恐らくは科学的な推測に過ぎないのでは無いのか。軍事評論家の意見ではミサイル本体に命中すれば確かに核爆発は起きないが核弾頭部分に命中すれば爆発は起きるだろう、という。また、迎撃すれば確実に放射能が拡散することは間違いなく、それゆえ日本領土の上空での迎撃は避けるべきだと言う話もある。アントニオ猪木氏は例のごとくただ奇をてらった質問をしただけなのだろうが、よく考えてみればミサイル迎撃の問題は冗談で済む話題では無いだろう。防衛省は、「安全だ、無力化できる」と国民が安心しそうな言葉を並べているが、より具体的なミサイル迎撃についての正しい知識を国民にひろく啓蒙すべきではないのか。我々日本国民は相も変わらずお隣りの小国北朝鮮の威嚇に耳を貸し続けて居るばかりの腹立たしい限りの毎日なのだから。