ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

令和の波平は、昭和の波平と同じ「豊かな老後」を暮らせるか。

漫画『サザエさん』の父親、磯野波平さんは54歳。東京・世田谷区の住宅街の戸建てで暮らしている。サザエさん漫画がブームを呼んだ始まりは1950年代、この頃のサラリーマンの定年は55歳、波平さんは定年一歩手前の年齢だ。1955年(昭和30)の平均寿命は、男性が63.6歳、女性が67.75歳だったので、波平さんが平均寿命の64歳で亡くなるとすれば、老後の期間(定年後)はわずか9年間。この時代は、払い込んだ以上の年金が支払われたので、9年間の老後生活はお金の心配は無かったと思われる。それから67年後の令和の時代の波平さんの老後はどうだろう。平均寿命は81歳と17年も延びたのに、定年は60歳とわずか5年しか延びていない。つまり、61歳〜81歳までの20年間の老後を年金だけで果たして暮らしていけるのか。2017年の総務省統計局「家計調査報告書」で「高齢者夫婦無職世帯」の家計収支のデータでは、収入が20万9198円に対して、支出(非消費も含む)が26万3713円で毎月の不足分は5万4519円。この不足分を 90歳になるまでの30年間を埋めるために必要なお金が約2000万円(正確には1977万840円)必要だ、といういわゆる「老後資金2000万円問題」が大きな話題を呼んだ。令和の波平さんの定年を、昭和の55歳から70歳まで15年間延長すれば老後の年金生活期間は10年間、昭和の波平さんの年金生活期間とほぼ変わらない。現在の深刻な人手不足の解消にもなりうる定年70歳への延長、我が国の政府には、こんな簡単な計算をする「知恵」もないのだろうか(笑)