米スポーツ専門TV「ESPN」が、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥がムロジョン・アフマダリエフとの防衛戦を戦い、3-0(118-110×2、117-111)の判定勝ちした戦いを高評価、KO勝ちではなかったものの「A-」と位置付けた。「ESPN」は「イノウエは『モンスター』になる必要はなかった。その代わりに賢く戦い、アフマダリエフのパワーをかわしつつ、雷のようなボディブローを叩き込み、肉体的に強い相手を徐々に消耗させていった」と表現、さらに「イノウエは大方の予想ではアフマダリエフとの試合で厳しい試練に直面するはずだったが、スピードと技術を駆使した戦略で相手を封じ込め、見事にその試練を乗り越えた。ノックアウトにはほど遠かったものの、イノウエは試合のあらゆる局面でアフマダリエフを打ちのめし、恥をかかせた」と、実際には力の差が大きかったと見たようだ。「イノウエは素晴らしかった。そして、KOしなくても相手に圧勝できるという事実は恐ろしい」と評価した。相手と真っ向から打ち合うインファイト戦法を取らずヒットアンドアウェイで、的確にポイントを取った32歳井上尚弥の老獪な戦い方に賛辞を贈ってくれたESPN、モンスターの愛称を返上して、「勝ちに徹する」戦い方が、これからはベストな戦法になりそうだ。