ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

KO勝ち出来なかった井上尚弥、モンスター返上か。

世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)が、WBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフとの防衛戦12Rを戦い、3-0の判定勝ちを収めた。勝利後のリングインタビューで、井上選手は、満員の観客に向かって「アウトボクシング(パンチが届かない距離を保ちながら機会を見てパンチを打つ戦法)も行けるでしょー? 誰が衰えたって!?」と叫んだ。13年前の2012年10月2日に4RKOで華々しいプロデビューを果たした井上選手は、インファイト(真っ向から打ち合う)戦い方で、早いラウンドでのKO勝ちで連戦連勝、「モンスター」と呼ばれるボクサーとして、これまでプロ戦績30戦30勝無敗27KOの記録を収めてきた。ところが、30歳を過ぎ体重の重いスーパーバンタム級に上げてから、過去に1度もしたことのないダウンを2度し、相手をKOするラウンドも後半のラウンドが多くなってきた。KOできなかった今回の試合でも、井上選手のパンチを貰ったアフマダリエフ選手が、両手を挙げて手招きしながら「効いてないよ」というポーズを何度も見せていた。また、強打のアフマダリエフ選手に対して井上選手としては珍しく何度かロープを背負い詰められるシーンが見られた。インファイトボクシングを封印し、打ったパンチで相手を倒せず、何度かロープに詰められながらようやく判定勝利した32歳のモンスター、勝つには勝ったけれど、どうやら圧倒的なKO勝利を見せ続けてきたモンスターの「称号」は、32歳にして返上したように思われる。