ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

首相「田中角栄」を追い落としたキッシンジャー逝く。

元米国務長官のヘンリー・キッシンジャー氏が100歳で死去した。日本ではそのノーベル平和賞を受賞した功績を讃える報道が目につくが、アメリカではベトナム戦争末期にカンボジアで大規模な空爆を行うよう指示した同氏に対する容赦ない批判が目につく。米ニュースサイト「ザ・デイリー・ビースト」は「彼はあけすけな戦争屋で戦争犯罪人だった⬆。この国で彼がセレブとして100歳まで生きたことはアメリカの恥だ」と酷評している。そのキッシンジャーは、1970年代の我が国の首相だった田中角栄を追い落としたと噂された人物でもあった。東西冷戦の時代、米中国交正常化を秘密裏に企てたキッシンジャーのお膳立てで1972年2月にニクソン大統領が中国を電撃訪問し「米中国交正常化」の糸口を掴んだが、その7ヶ月後の9月、日本の田中角栄首相が中国を電撃訪問、アメリカを出し抜いて「日中国交正常化」を先に実現してしまった。この田中角栄の素早い動きに中国外交の主導権を奪われたキッシンジャーは、田中への不満を露わにした。さらに翌年9月、田中首相は原子力発電のためのウラン濃縮を全面的に米国に委託していたのに、フランスのメスメル首相との会談で「今後は濃縮ウランの加工をフランスに委託する用意がある」と発言、キッシンジャーの「虎の尾」を再び踏んで見せたのだ。この3年後、ロッキード事件によって政界を去った田中角栄元首相、日米間の最高機密である航空機の売買についての「裏の事情」を知る数少ない人物の1人であり、田中角栄に恨みを持ったキッシンジャーによる「リーク」が噂されたのは当然のことだった。