
1968年、京都のアマチュアバンド「ザ・フォーク・クルセダーズ」⬆️の加藤和彦が、当時誰も思いつかなかった早回しのテープと奇想天外な歌詞で反響を呼んだナンセンスでコミカルな歌『帰ってきたヨッパライ』。飲酒運転で交通事故を起こして死亡した東北弁を話す主人公が、長い雲の階段を通って天国へ登るが、その天国でも酒と美女に浮かれてばかりだったため、関西弁を話す「怖い神様」からの「お仕置き」で天国を追い出されて生き返る顛末を、テープの高速回転による甲高い声と伴奏で語るコミックソングが、当時280万枚という記録的な大ヒットを放った。ヒットのきっかけとなったのは、ラジオ関西のディレクター西内隆氏のアイデアからだった。当時、京都の大学生だった加藤和彦が就職活動のためグループの解散記念にと自主制作したアルバム(帰ってきたヨッパライも収録)を販売したが、50枚しか売れなかった。在庫の山に困った加藤が、宣伝のためにと「ラジオ関西」に持ち込んだ。するとラジオ関西の西内氏が、このアルバムの中の「帰ってきたヨッパライ」を気に入り、「ミッドナイトフォークという番組内で一番最初にかけたところ、まったく反響がなかった。そこで、「電話リクエスト「電リク」という夕方の番組の中でDJの人に「これは交通安全の曲です」とまじめに紹介してもらったんです。すると、リクエストが殺到したが、局内にまだ登録されているレコードにないということで、社内は大パニックになった」と「帰ってきたヨッパライ」ヒットの瞬間を回想している。当初50枚しか売れなかった「帰ってきたヨッパライ」が、「交通安全の曲」という紹介で280万枚の大ヒットへつながったという、何とも奇跡的なエピソードだと思いませんか。