ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

日本人に「幸福感に包まれる場所」を教えてくれた日本愛のフランス人。

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テレビ東京の「YOUは何しに日本へ?」という番組は質が高い。先日見た番組に登場したのは来日22回目というフランス人のジャックさん。聞けば、バックひとつで世界中を旅していて、世界196ヵ国のうち、175ヵ国に行ったことがあるとか。スタッフから「1番素晴らしいと思う国は?」と聞かれると、「美しい日本だよ」と即答。しかも「僕にとっての"秘密の場所"があるからね」と教えてくれた。ジャックさんは何をしていた人物かを尋ねると、スマホの画像を見せてくれ、そこには南アフリカ共和国の元大統領・ネルソンマンデラ氏の隣に写る若き日のジャックさんの姿が。 「実は国際連合で働いていたんだ」と自分の過去を明かし、国連職員として1989年のナミビア独立戦争の鎮静化に尽力したが、善良な市民の残酷な惨状を目の当たりにする日々の中で自分自身の心に深い傷を負ってしまい、それを癒すために55歳で国連を早期退職、以来、心の安らぎを求めて175カ国を旅してきたという。そのジャックさんが世界で一番お気に入りの場所が徳島と高知の県境近くにある小さな漁村「甲浦」(かんのうら)。過疎の町「甲浦」は10年前のヒッチハイクで偶然降ろされた場所だったが、古民家が並ぶ町の佇まいが気に入って以来8回も訪れているという。漁村の高台にある自然公園の飾り気のないベンチに座って、ただ静かに波の音に耳を傾けるジャックさん。「世界にもっと美しい場所はたくさんあるけど、この何もないシンプルな甲浦が気に入ったんだ」と心落ち着く静かな「甲浦」で「この町の平和さ」を噛み締める度に「幸福感」が心に染みてくるという。終戦から74年たった今、戦争の残酷さや悲惨さをすっかり忘れてしまっている現代の日本人に「何事もない平和な風景」の素晴らしさと「幸福感」とは何かについて教えてくれたフランス人のジャックさんに感謝の気持ちで「メルシー」と言いたい。