昨年の大晦日のお笑いテレビ番組でコメディアンの浜田雅功が顔を黒塗りして登場したのを見た日本在住のアメリカ人黒人作家が「2年後の東京オリンピックで黒人アスリートにブラックフェイスのドゥーワップ(合唱)をやらかすんではないかって不安だ。いますぐやめて」とツィートしたことで、日本のマスコミが「人種差別ではないか」と大騒ぎになった。これについてアフリカ系アメリカ人のニュースサイト「アトランタブラックスター」に寄せられた黒人の人々からの様々な意見が興味深い。「これは差別じゃない。俺たちもアジア人を演じる時がある」「あれはコメディであって失礼な要素なんてひとつもない。チョットしたことに腹を立てるのはもう止めようや」「彼(浜ちゃん)はエディ・マーフィーに扮装しただけ、それが何が問題なのか俺にはわからん」「ブラックフェイスはアメリカの歴史に基づくアメリカの問題。だから日本人はそういう物差しでは考えていない」「黒人のコメディアンも白人のモノマネをするよ。そういうのも差別的だと思うの?」アメリカの黒人の実に9割以上の人達が「これは差別的なモノでは無い」という寛大な反応を示している。その理由の多くが「これはコメディーなんだから」という解釈だったようだ。しかし、こういう大目に見てくれる人々がいる一方で日本在住の黒人作家が指摘したように、東京オリンピックに向けて海外からの訪日客が増えてゆく中、レイシズム(人種差別)について日本のマスコミはもう少し神経を使うべきだ、という意見がある事も理解しておくべきだろう。