8月も終わりそろそろ秋の季節。猛暑続きだったこの夏、「蚊に刺されましたか?」というアンケート調査をウェザーニュースが実施した。8月23〜24日に8754人を対象に行なった調査結果では、「いつもより少なかった」と回答した人が66%にものぼった。都内9カ所の公園などで蚊の発生状況を調べている東京都健康安全研究センターによると、「今年の暑さで蚊の動きが鈍くなっていたようだ」と言う。気温が30℃を超え暑くなると徐々に蚊の動きは鈍くなり、35℃以上の猛暑日は、植木の葉裏などの日陰に身を潜めて暑さを凌いでいるという。実際、35℃以上になると刺されにくかったという実験結果もあるように、今年の記録的な猛暑続きの夏は、蚊にとってもつらい季節だったようだ。蚊の生態に詳しい長崎大熱帯医学研究所の砂原俊彦助教によると、「35度以上の日が続くと蚊の死亡率が上昇し、数が減少する可能性がある」と語る。どうやら、蚊も猛暑が続くと人間同様に熱中症になるようだ。殺虫剤メーカーのアース製薬研究部の藤島直樹係長は「あまり気温が高いと殺虫剤の売り上げは伸びにくい」と証言している。しかし、猛暑で蚊が少なかったと油断してはならない。暑さが和らいだ9月の今こそ、蚊は失われた夏を取り戻すべく活動を活発化させるという。猛暑だった8月に比べて蚊が活動しやすくなる気温にまで下がる9月だからこそ、蚊にくれぐれもご用心なのだ。