ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ヒットしても作者に印税を払わなかった名曲「ライオンは寝ている」。

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ポップスの名曲としてディズニー映画「ライオンキング」の挿入歌にもなった「ライオンは寝ている」。元はアフリカのズールー族に古くから歌い継がれてきた民謡を’20年代に南アフリカの黒人ソロモン・リンダがズールー語で作曲、ライオンを意味する「Mbube(ムブーベ)」というタイトルで’40年代の南アフリカで10万枚売れるヒットとなった。この曲がアメリカのフォーク歌手ピート・シガーによって’51年に全米で紹介されると瞬く間に大ヒット、その後’61年に白人のドゥーワップ・グループ、トーケンズが「TheLionSleepsTonight(ライオンは寝ている)」とタイトルを変えて英語の詞を付けて洗練されたアメリカン・ポップス曲として大ヒットを飛ばし、永遠に残る名曲となったのだ。しかし、曲がヒットしたのに原作者である南アフリカのソロモン・リンダに「ライオンは寝ている」の印税は渡らなかった。51年の全米での発売時、ピート・シガーのマネージャーが架空の作者名をデッチ上げて勝手にアメリカ国内に著作権を登録してしまったからだ。その後も、この曲についての権利争いは赤貧のうちにソロモンが死んだ’62年以後から現在までなお続いている。権利争いが続く中、この曲のカバーは相次ぎ’94年ディズニー映画「ライオン・キング」にも使用され莫大な印税が発生したのに、その内のわずかしかソロモンの遺族にはわたらなかった。全米に紹介したピート・シーガーは最初に自分が印税について十分チェックしなかったことを後悔し、生前のソロモンにいくらか送金していたというが、2004年ソロモンの遺族が、ディズニーに対して訴えを起こし、ようやく莫大な印税を手にすることができたという。